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新潟県十日町市の校内研修会へ〜前田考司先生の授業と事後検討会のファシリテーションが素晴らしかったです!

2025年7月2日、私は新潟県十日町市の小学校の校内授業研究会に講師として参加させていただきました。このご縁は、私のゼミの第1期生である前田考司先生が研修主任として企画運営し、さらに今回の授業を行うという大車輪の活躍の中、私にアドバイザー的な立場でお声がけくださったことから始まりました。この日を含め、年間で合計3回お邪魔することになっています。

卒業,修了された後も,こうして私と繋がり続けてくださろうとする方がいると、力になりたいという気持ちが強く湧き上がります。私が必要とされ、私が誰かの役に立つのであれば、精一杯頑張りたいですね。自分からはつながろうとはしないので、このように継続的に声をかけてくださる前田先生には、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。


対面で行う授業研究会の価値


そういった個人的な感情はさておき、対面で行う適度な人数の授業研究会は、本当に心地が良いものだと改めて感じました。特に、前田先生の授業は印象的でした。事前に先生ご自身の授業の構想や進めたい方向性を私と共有する時間を設けてくださったおかげで、授業を見る前から私の中で具体的なイメージができていました。

前田先生は今回も「学び合い」の視点を持ちつつ、ホワイトボードミーティング®を授業デザインや学級経営の中心に据えていらっしゃいました。その信念が子どもたちにもしっかりと伝わっており、参観する先生方も子どもたちが自ら学び取ろうとする姿に圧倒されていたように感じます。事前に「子どもたちにはハードルが高いのではないか」と考えていた先生方もいたようですが、私自身も常々感じていることですが、子どもたちはすでにこの程度のことはできるし、先生方自身が「できない」という制限をかけてしまっているのではないかと思うのです。子どもたち集団は圧倒的なポテンシャルを秘めているということを、授業を通して見てもらうことができたのではないでしょうか。

校内の先生方が、同僚である前田先生の授業、つまりは目の前の子どもたちが自ら学ぶ姿を目にすることで、「うちの目の前の子どもたちも同じようなことができるはずだ、もっとできるんじゃないか」と、自分事として捉えるきっかけになったことでしょう。授業そのものが素晴らしかったので、その後,私が担当する部分においてはその価値を語り、子どもたちの可能性について話すだけで済んでしまい、私自身もたいへん得をしました(笑)。前田先生の授業があったからこそ説得力が増したという感じで,非常に良い流れの研究会でした。


ホワイトボードミーティング®形式の事後研究会


事後の研究会も、前田先生の意図通り、ホワイトボードミーティング®の形式で進められました。企画会でフレームを検討し、それを事後検討会に落とし込むという流れです。先生は的を外さない説明で、ホワイトボードミーティングを知らない先生方にも、その場でモデリングしながらすぐに実践してもらうという素晴らしい展開でした。

事後検討会の1時間、そこにいた先生方は皆、楽しそうでポジティブに授業を振り返っていたのが印象的です。参加されていた先生方の中には、このような事後検討会は初めてだと、顔を明るくして話されている方もいました。少しずつ減ってはきているものの、従来の授業の事後検討会は、マイナス面を指摘し合う「ダメ出し」の場であったり、ネガティブな発言が主流であったりすることが多かったと思います。未だにそのような事後検討会も多い中で、今回のホワイトボードミーティング®の手法を用いた事後検討会は、まさに真逆の進め方でした。これも研修主任である前田先生が仕組まれたものだったのでしょう。この検討会を体験し、感激・感動された先生方も多かったのではないでしょうか。私自身もその場にいて、本当に楽しい時間を過ごされた方が多かったと実感しました。


自己有用感と共同的な学び、そして今後の展望


最後に、私からは授業の感想コメントを加えて約1時間の講演を行いました。前田先生の授業、そして事後検討会があまりにも充実していたため、正直なところ、私自身の話の内容について客観的に振り返るのは難しいです。目の前の先生方、そして招いてくださった前田先生の期待に応えられたのかどうか、若干の不安は残ります。

私の講演では、いくつか印象に残るフレーズや言葉を選び、また2つの体験的な演習を取り入れました。さらに、2人組や4人組でその都度、子どもたちについて考えてもらうなど、やり取りをしながら進めました。その中で、私自身の思いや感覚が、前田先生の授業や事後検討会を踏まえて、先生方に伝わったのではないかと感じています。

今回のテーマは「自己有用感の向上」でした。自己有用感は、他者の存在なしには得られない感覚です。だからこそ、今回の授業で実践されたペア学習、少人数グループ学習、そして教室全体での子どもたちと関わる学び、つまりは協働的(協同的)な学びの必要性、いや、「日常的に当たり前に進めていくべきもの」だという流れや感覚を、先生方に実感してもらえたのではないかと思っています。

夏休み中に、今回実感した協同的な学びをどのように実際の授業に展開していくのか、その具体的な方法について、次回は共同学習の演習や実技を通して、先生方と共に考えていく予定です。第一回目の今回は、その良い流れを作ることができたのではないかと感じています。

何よりも、今回の研究会に参加されていた先生方が、とても前向きで明るく、そして学ぼうとする姿勢が明確にあったことに感動しました。その先生方の熱意が私にまでビンビンと伝わってきて、それが私の話や、「もっとこうしてみよう」というエネルギーにもなりました。少し興奮しながら帰路についたのを覚えています。

阿部ゼミを終了し、現場の最前線でご活躍されている前田先生の姿を目の当たりにできたことは、私にとって本当に嬉しく、価値のある時間でした。素晴らしい一日をありがとうございました。

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