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ゼミでの新たな試み:ゼミ生に90分間語ってみて



今日は、私にとって珍しい一日でした。いつもはゼミ生が企画・運営し、私が顔を出すのは最後の数分で感想や連絡を伝える程度。そんなゼミの時間を、今回はなんと90分間まるごと私が使って、ゼミ生に話をさせてもらったんです。


なぜ、今、私が話すのか

これまでのゼミでは、私の考えをゼミ生に伝えることはほとんどありませんでした。それは、ゼミ生自身が自分の考えを持ち、それを追求・探求する時間にしてほしい、私がどうこう言うよりも、自分の思いを深めていく2年間、3年間の大学院生活を送ってほしいという思いがあったからです。この基本的な考えは今も変わっていません。

でもある時、大学の外の方とお話をする機会があり、ゼミ生の話題になったんです。「ゼミ生は阿部先生の考えていることや記述などを習得して大学の外に出て行くわけですね」と話をふられた時、知らない人から見れば、ゼミとアドバイザーの関係はそんな風に見えるのかもしれないな、と感じました。

そこで考えたんです。あまりにもゼミ生が私のことを知らなすぎるのも、どうなんだろうと。私の考え方を伝授したり、ましてや私の考えを否定してこの通りにやりなさい、と押し付けるようなことはしたくありません。ただ、広くある教育関係者の考え方の1つとして、あるいは「アドバイザーってこんなことを考えてるんだな」と頭の隅っこで知ってもらうだけでも、意味があるのではないか、と。そう思って、今回、一、二度、私の考えていることを話しておくのも良いかな、と決断したわけです。


講演スタイルで語った90分間

そこで今回は、私が大学の外で講演を依頼される際の、最も典型的なパターンである90分間の話をゼミ生にしてみることにしました。普段の講演も大体90分なので、ゼミの時間もちょうどいいかと思っていたのですが、ゼミ生の前だったからか、どうも余分な話をしてしまっていたようで、残念ながら90分に収まりきらず、途中で終わってしまうという情けない結果に…。

それに、私の研究室のゼミ生は、現職院生が今年度1名いるものの、多くが学部卒、いわゆる「学卒院生」です。普段、現職の先生方にお話ししている内容が、どれだけ伝わるだろうかという不安もありました。


ゼミ生たちの真剣な眼差しに喜び

しかし、ゼミ生たちは私の真面目な話を90分間、本当に真剣に聞いてくれました。そして、私が話し合いを促した時には、一生懸命、真剣に話し合ってくれている姿が、私にとってはとても新鮮で、なおかつ大きな喜びを感じました。

普段、あまり私自身の考えを話す機会がない中で、今回の90分間は、ゼミ生たちにとって、アドバイザーがこんなことを考えているんだ、と知る良い機会になったようです。ゼミならではの良さだと感じています。


これからのゼミに向けて

嬉しいことに、来週のゼミでは今回の話を元に、ゼミ生たちが振り返りをしたり、私に質問をしたりする時間を確保してくれているそうです。話を聞いて終わりではなく、より深い学びへと繋げようとしてくれるその時間運びの工夫に、私はとても嬉しく感じています。

さらに、その次の週にも90分間の時間を私がもらうことになっています。今度は、学級経営の実践的な内容に関して、私の考え方と技術について話をする予定です。これは、これから本格的に始まる「学校支援プロジェクト」に入っていく際の、より実践的な学びをしてもらうための配慮です。今年度の私たちの学校支援プロジェクトは、学級経営が中心となる学校との関わりになるので、ゼミ全体で学級経営の基本的な考え方と、それに関する支援の動きや技術を一通り学んでもらおうと考えています。

この内容に関しては、まだゼミ生の前でどのように展開していくか考え中ですが、ゼミ生たちと一緒に学ぶことができるのが、今からとても楽しみです。

今回のゼミでの経験を通して、ゼミ生との新たな関わり方を見つけることができたように思います。彼らの真剣な学びの姿勢に触れ、私自身もまた、彼らから多くの刺激をもらっています。これからも、ゼミ生と共に学び、成長していけることを心から願っています。

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