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2025年度,意欲的に取り組んできたパイロット校の素晴らしい成果〜本宮市学習アドバイザーとしてとてもとてもうれしかったこと

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教職員の積極的な姿に感動!

2025年12月12日(金),福島県本宮市の岩根小学校にて,研究公開授業がありました。

私は,今年4月から,この本宮市の学習アドバイザーとして関わらせていただいていますが,この学校はその市の中でもパイロット校として特に積極的に関わらせていただいたところです(ちなみに,私が現役時代の最後の勤務校でもあります)。


パイロット校の内実というのが,実際あるとは思います。

つまり,実際のところどうなのか?ということですね。

この学校は,先生たちが,変化や成長に対してとても積極的な方々が多く,私が伺って,講座を進めたり,参観した授業に対してコメントを加えたりすると,食い入るように話を聞くと同時に,猛烈に自身の頭で考えて,近くの方々と延々と対話を続けるという方々が多いのです。

つまり,「ゆるやかマインドセット」「成長的マインドセット」の方が多いということなのでしょうね。


4月からそうだったわけではありません。

当初は,私が話題を提供する時間が長く,もしかしたら,毎回,聞くだけの時間を過ごす1年間になってしまうのかなぁ……。そうだったら,私の力不足ということになりそうだなぁ……と思いながら,伺っていました。


すると,いつの間にか,予定を組んでいなかった公開授業を行うことに決まっていました。

しかも,1教室での授業公開ではなくて,4学級同時に授業公開をするということになっていました。あれよあれよとの積極性です。


私が訪れても,どんどん私が話す時間は減っていき,前回,私が訪れたときは,ずっとずっと先生たちが話し合いを続けるという研修スタイルへ変化していきました。


先生たちの「成長マインドセット」がいかんなく発揮された様子に立ち会えたこと,嬉しく思います。


圧巻の授業!

予定になかった授業公開です。

いつも温かい目で教職員を応援している校長先生が,私の言葉を引用して「まずは,今日がスタートラインですから(笑)」とおっしゃっていました。

私も,まずは,指名された,指定された,授業公開ではないにもかかわらず,自ら公開に踏み切ったことに価値があると思いましたし,教師主導から学習者主導の姿に少しでもギアチェンジしようとしている姿を見てもらいたいという気持ちだけでも子どもたちや参観者に伝わればと言う思いを授業を見る前に,言葉通りに受け取っていました。


しかししかし……。圧巻でした。

校長先生が「今日がスタート」とおっしゃっていましたが,ゴールとは言わないまでも,相当の質の高い授業を展開されていました。


まず,学校全体での取り組みということでは,4学級全てが,下の私が提案する「学びのモデル」にぴったり一致する授業フレームを用いていました。

事前に,教職員とは相談もしていないし,私からお願いもしていません。

彼らが,話し合いを重ねる中で,このような進め方がよりよいということに至ったのだと思います。

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5分から長くて10分の「つかむ」時間。教師と子どもたちが,本時の概要を共有しました。

最後,どの学級も「まとめ」とは別に「ふり返る」時間を確保し,活動中心の授業だからこそ語り合えることができる「ふり返る」を行っていました。

教師は,全体の前では「つかむ」と「ふり返る」時間だけ,話をし,他の時間は少し大きめのつぶやきだったり,個別に対応するだけだったりと,過ごしていました。

どこの学校も,子どもたちとの関係性がしっとりとした友好関係で成り立っており,本時の目標の達成へむけた学び行っていました。


自分が関わった学校で,こんなにニコニコしながら,どの学級も歩き回れるのは本当に久しぶりなことです。

もう,7,8年も前になってしまうでしょうか。福島県石川町で学習アドバイザーをさせてもらっていた頃に戻ったような気分でした。


先生たちも,学び手主導で,体験的な学びから授業を考えていきました

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とてもとても,面白かったのが授業後の検討会です(上は体育館の様子で,これとは違います)。

参加者は,4つの授業ごとの分化会に別れたのですが,ここの岩根小学校で行っている,授業を参加した方からもどんどん考えを引き出す形のファシリテーションスタイルで行っていたことです。ファシリテーターが,電子黒板の前にたち,問いを重ね,電子黒板にどんどん記録し(可視化し),参観者の言葉をどんどん紡いでいきます。

参観者も,考えていたことを言葉に出すことで,いろいろと学びになったことと思います。


そして,最後は,体育館に全員が集まってもらっての,私のいつもの通りの演習中心の講話。いつお通りといっても,今回用に演習を考えて準備したものです。ちょっとタイムマネジメントを失敗してしまい,参加者に思い通りの満足する活動時間を確保できなかったこと,それに加えて,内容も深く入り込む一歩手前あたりで終わってしまった感があることが,心残りでしたが,説明を延々と重ねるよりは,参加者たちも実感を伴えたのではないかと(勝手に)想像しています。


形に残るアウトプットを,周りに伝播するアウトプットを

「まずは,スタート」「最初の一歩を」ということで,はじめたこの授業公開でした。

参観者も,校内研究に毛の生えた程度のものと考えていたところもあったと思います。

フタを開けると,突然の授業公開案内にもかかわらず,70名を超える参加者がおり,市内でも,「協働」「協同」の授業に関する関心の高まりを感じるとともに,イメージもしてもらえたのではないかと考えています。


思っていた以上に,素晴らしい授業であり,事後検討会でした。

今後を,これを意図的に記録として残し,成果や効果を分析するということをしていく必要があると思います。話し合い活動,対話活動,学び合い活動は,見た目が派手で,子どもたちも楽しそうなので,その授業をしているだけで「おおっ!すごい!」となりがちです。

(私は,まずは,それでもいいと思っています。子どもたちが楽しんでいるのだから,ここからはじめましょうといいたいです)


しかし,あまり,そこの内実をしっかり見取るということをしているようでしていないことが多いとも思っています。だから,データを取って分析する,考察するということもしてみたいです。


加えて,もう少し幅広く,世に発信するような工夫もしてみたらどうかと考えます。


このあたり,「始まったばかり」なので,今後,どのように発展していくのか,とてもとても楽しみです。


本当に本当に,ありがとうございました。お疲れさまでした。




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