top of page

「第35回学級経営実践セミナー(兵庫)」終了!〜発表者最高!参加者との新しい出会い!そして私は……!

ree

2025年8月23日(土)は,第35回学級経営実践セミナー(兵庫)でした。

さて,何から書きましょうか……。気づき,出会い,発見,といろいろとありすぎて……。


学級経営実践セミナー初の関西,兵庫,開催!

まず書いておきべきことは,記念すべき関西,そして,兵庫での学級経営実践セミナー初の開催だったということです。

本学会の設立の目的はいくつかあります。学会と称する通り,研究の蓄積の少ない「学級経営」を少しでも研究の遡上に乗せて進めていきたいというのが一番の目的といえば目的になりますが,それに加えてもう一つ,学校教育活動を進めていく上で必ず存在するにも関わらず,感覚的に,経験則的に進めていてしまっている「学級経営」を,全国的にもう少し意図的に学んでいきましょうという趣旨があります。ここに関しては研究もありますが,それ以上に「学級経営」実践の交流のような広い意味も含まれます。


そのために,本学会では,学会設立当初から,「学級経営実践セミナー」という器を準備し,全国各地で「自分たちが中心となって学級経営について学んだり,考えたりする時間と場を設けます!」という方たちに立候補してもらって,学級経営実践セミナーを開催してもらってきました。


ポイントは,学会員の主体性に立脚し,「やります」という方々と協力して進めるということです。そんな中,愛知,山梨,仙台というところが定例化しつつあり,新潟でも定期的に開催していこう!という流れになってきつつあります。


そんなこんなでの「兵庫」!


どなたかが「やります!」と言わない限り立ち上がらないのですが,川上健治先生が立ち上がってくださいました。ここに,理事の岡田広示先生がフォローする形でバックアップして今回進められたわけです。すごい!すばらしい!


自ら集まったからこその学ぶ熱気

参加者の皆様は休日に仕事でないにも関わらず,集まってくる方々です。

熱い!限りなく熱い!

上の写真は,発表者が発表している部分のもので,みなさん前を向いて聞いており,堅い感じを受けますが,その後の,各発表者を囲んでの意見交換では,進行が「もう終わってください」と言わなければ(いえいえ,言っても)終わらない感じでした。

結果,当初の進行プログラムを変更し,交流の時間を長くし,終了時刻を伸ばすという形になりました。本来であれば,終了時刻の変更はありえません。プログラムの予定を組んで参加してくださっているわけですからね。しかし,参加する皆様全員が時間を長くしても構わないという姿勢で参加されて,実際に伸ばしたプログラムで間延び感は一切なく,もっと話したい,もっと知りたい,もっと聴きたいという空気で充満していました。

(実際,私自身も,話し合いに夢中になって参加してしまったがゆえに,この互いに聞き合っている様子の写真を撮りそこねました。この熱気の一部を写真という形で記録できなかったこと,少し悔やまれます。)

いやぁ,すごかったなぁ。


発表の内容がどれこれも先進的でした!

発表の内容はというと……。

どれもこれもすごかったです。

私が,東日本,北日本の人間だからなのかなぁ……。

私にとっては,どれもこれも,新鮮で刺激的で,うんうん,その方向でぜひとも学級経営をどんどん進めていきましょう!という感じでした。


まずは,岡田広示先生。

元同僚の岡田先生のお話を久しぶりにお聞きしました。

今の岡田先生にとってはこれが通常運転だったのかもしれませんが,キレッキレでした。

「学会」のセミナーであり,みなさんに,少しでも「学級経営研究」の意識を持ってもらいたいという意図のもと,進めていたのが印象的です。

学級経営には,もともと「学級経営学」というような底を支える学問や研究方法はなく,他の研究の視点から「学級」を見たり,実践したりということで進めているのが実際です。そこで,岡田先生は,どのような研究(学問,学術)の見地から学級経営を見ているかというところを整理整頓し,すでに本学会で発表された全論文をそれに当てはめていくと,どのようになっているかという現状を提示して,そのうえで,「みなさんが学級経営研究を進めていくとしたら,どの視点になるか,どの視点に興味があるか,どの視点なら進められるか?」ということを問いかけました。

今回,岡田先生はプログラム進行を見ると,4つの発表の中の一つという形で発表されていましたが,他の3つとは若干異質のものであり,実際のところは,基調提案(講座)という形がふさわしいものでした。岡田先生のすごさを目の当たりにした瞬間でした。


そして,川上健治先生。

このセミナーの仕掛け人です。自分の研究していることをみなさんに問うてみたい,そして,研究として成立しているのか聞いてほしい,もっとよりよくなる考えや方法があるのならそれを知りたい……という貪欲な姿勢がわかりました。

ご本人はそういう意欲と実践の積み重ねがありつつも,本学会の趣旨にあっているかどうか不安な部分があったようです。ですから,「ばっちりです」ぜひともこの方向で進めてくださいと背中を押しました。

問題意識と効果を検証したいと考えている実践方法が明らかなので,バシバシ進めてもらえたらいいのではないかと思っています。


黒田夕紀先生。

川上先生が,研究的に進めようと考えている「フェアな話し合い」というところの実践発表という形でした。川上先生が個人で取り組み,自分に引き寄せて進めているところを,黒田先生は勤務校の研修主任ということで,学校全体で取り組まれていることの発表でした。

つまり,川上先生,黒田先生と,研究と実践の核が重なる部分があり,聞き手はとても理解しやすい内容になっていました。

これは,セミナーというか講座を構成するという意味でも,なかなかに大切な視点です。


川上先生と黒田先生の発表を簡単に総括すると,2人に重なるところは「フェアな話し合い」という部分です。私はグーンと前のめりになって聞いていました。なぜなら,私自身とてもとても興味ある内容だからです。

フェアというのは,日本語にすれば,公正・公平というところに重なります。私は何度かブログや雑誌記事等にも書いていますが,日本は(特に学校社会では),平等に重点を置きすぎて,ときには極端な同調主義,同調圧力,忖度のような,個々人が飛び出ないような教育をしてしまっているところが大きいです。

グローバル社会を視野に置くと(というか,世界を見ると,グローバル社会に歯止めがかかりつつあるような感じもありますが),「フェア≒公正・公平」に軸足をおいた生活を進めていくべきであり,お二人の発表はここに「こだわり」を持っての研究であり,実践でした。

まず,ここがとってもとっても素晴らしいですし,すごいです。

世の中,多様性重視のような言い方でこの公正・公平を広めようという流れや実践はあると思いますが,大きな研究や実践の中の一つに含まれて進められていることが多いのではないかと思います。つまり,「◯◯という研究をしています。その過程で,多様性(公正・公平)が大切なんですよね〜」みたいな感じです。

そうではなく,彼らの発表は,中心が「フェア≒公正・公平」なのです。

どーんと直球で私の胸に届きました。

おもしろい!すてき!


今後,研究を進めていくにあたって,もし助言するとしたら,これらの研究や実践にもう少しエピソードに焦点を当てたらどうかということです。今回,科学的なエビデンスとして実践の前後の質問紙調査の結果をもとにして,統計的な処理をしたものを分析するという形を取っていました。現場の発表というと「◯◯をやってみました」だけで終わるものが多い中で(これを私は「やってみました研究」と勝手に呼んでいます),客観的な分析手法を取っていることが素晴らしいですが,「フェア≒公正・公平」という,ある意味,平らに均すことを目的とするのではなく,多様(さまざま)であることを生活に生かすという研究や実践であるのなら,多様な様子を取り出すようなエピソードをふんだんに記録していくほうが研究や実践としての「やりがい」や子どもたちへの「フィードバック」なども含めて価値があるように思います。

加えて,「フェア≒公正・公平」というのは目的になるのではなく,「フェア≒公正・公平」を通してどんな状態になっていくのかということだと思うので,「フェア≒公正・公平」を通して得られるもの,目指すものを改めてじっくり考えてみるのもよいのではないかと考えます。


そしてそして,中野裕香子校長先生!

発表者に校長先生がいらっしゃると聞いて,最初聞き間違えかなと思いました。と,同時にこの場に校長先生がいらっしゃって重くならないかなと心配しました。

しかし,中野校長先生の人柄,そして,参加態度,さらには発表内容を聞いて,いやはやすごい方がこのセミナーに来てくださったのだなとうれしくなりました。

とにかく,フランク。受容的。しかし,チーム担任制を推し進める発表を聞けばわかるように強い芯をお持ちで,多くの場面で現場の責任ある教員に任せつつ,その大枠については自分が責任を持ち受け止める覚悟でいらっしゃるということです。

「先生たち全員で,子どもたち全員を見守る」

ことの体現化とでもいいましょうか。

これを,なぜ今,必要なのかという部分を現在の日本の状況というデータ(主に不登校の状況と教員の精神疾患の状況)で語り,いかにチーム担任制が今の社会の理にかなっているかをお話する様は圧巻でした。


川上先生と黒田先生の「フェア≒公正・公平」にまつわる話,中野校長先生のチーム担任制,これは話が大きく異なるように思えるかもしれませんが,実はどちらも「フェア≒公正・公平」に集約されるというか,もう少し別な言葉でまとめていくと,各自の「好き強みこだわり(いわゆる個々人の特長)」を生かす場を確保して,そこの構成員(子どもや先生や保護者,地域の方々)が気持ちよく生活していくにはどうすればよいかというところにつながっていくように思います。

とてもとても,納得し,久しぶりの関西の地で気持ち良い時間を過ごしたのでありました。


惨めな私の時間

そんな中,とっても残念で打ちひしがれた気分の自分の時間。

もうねぇ〜思い出したくもない感じです。

だめなのよ〜。

だって,私の与えられた役割が「総括」ですよ。

そんなの無理ですって。

岡田先生には,「この集まりの中で,一番年上なのだからその役割は当たり前です」と言われました。がび〜ん。

今回に限らず,たま〜に「総括」的な役割をしたことがあったこともあります。はい。

でもですね,一度として,自分が満足する時間を過ごせたことがありません。

私は,もともと頭の中に蓄積している知識というものが少ないのです(自分で認識しています)。ですから,瞬時にコメント等を求められたときに,なんら頭に浮かばないことがよくあります(というか,ほとんどです)。いわゆる,即応力が欠けているのですね。


たまに,赤坂真二先生とセミナー等とご一緒すると,本当に打ちひしがれます。

赤坂先生は,コメントを求められると,一瞬でスイッチを入れて,言葉がどんどん溢れ出ていきます。「もう,これ以上はいいです。やめてください!」って言わない限り話し続ける勢いです(笑)。

あれを見ちゃうと,または,隣に赤坂先生がいなくても赤坂先生のその様子を頭にイメージしてしまうと,焦るばかりで何も思いつかなくなるのです。

ああっ……おちこむ。


今回も,例えば,このブログに書いたような内容をもう少し,クリアにして説明できればよかったのかもしれませんが,与えられた20分をどのようにすごそうか?とばかり考えて(つまりは,自分自身をかっこつけようとして失敗しているわけですね),空回りしていたのが現状です。

ああっ……これ以上何を書いても落ち込むだけだから,ここでやめておこうと思います。


……ということで

懇親会も,めちゃくちゃ楽しかったです。

いつでもどこでも真面目な私は,本当は懇親会の席でも,真面目な話をしたいのです。

で,事務局のはからいだと思うのですが,私の周りに発表者3人が集まるようにしてくださいました。

懇親会の最初から最後まで,ずっとずっと,発表内容についてのお話をし続けました。

おもしろかったぁ……。

というか,少し話ししすぎた感もあったので,もう少し,お話を聞いてみたかったです。ちょっと,ここが心残り。


久しぶりの関西で,怖いなぁ……と思ってやってきたのですけど,とてもとても魅力的な方々と出会い,これからも継続してお付き合い出来そうな感じになりました。

うれしいです。

この歳になって,こういう出会いがあるということに感謝いたします。


こういう場を設けてくださった,関係各位に感謝いたします。




Comments


  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube

© 2022 by Takayuki Abe

bottom of page