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深まる個人ゼミ,深まらない個人ゼミの分かれ目は先行研究の洗い出しにあり


新年度が始まりました。

わたしのゼミは,基本,週に1回ゼミ生が集まって1つのテーマに関して学び合う集団ゼミと個人研究を中心とした個人ゼミで進めています。


どちらのゼミもわたしとしては楽しいものなのです。

個人ゼミに関しては,各学生の興味関心がわかるとともに,わたし自身,新しい知識や思考を得られる機会でもあり,とても貴重な時間です。


個人ゼミは,わたしが授業や会議が入っていない時に事前に連絡をしてくれればいつでもできる仕組みになっています。


今年度は,4月1日,4月2日と個人ゼミの連絡があり,新年度早々,私自身も研究モードに突入という感じです。


先行研究の洗い出しが大切

個人ゼミの初期段階。

個人ゼミを進める中で,どんどん話が深まっていく場合となかなか深まらない場合があります。

その理由は様々ですが,初期段階では,数多くの先行研究にあたっているかどうかが分かれ目となるなぁと感じます。


先行研究にあたっていない場合,話をしていても抽象的で,ぼんやりしていて,ターゲットがしぼれません。いわば空中戦での話合いになります。もちろん,最初の一歩として,自分自身の興味関心を見つけ出すときの壁打ちの相手としてわたしを用いるのもよしとしていますので,かまわないわけですが,これが何度も続くと……ウーム,となります。


先行研究にあたった上での話合いは盛り上がります。私自身も新しい知識や思考を得ることができるので,とてもとても楽しい時間になります。先行研究をモデルとして,または批判的対象として,リスペクトする対象として,機能します。

「だったらさぁ,こんなこともできるんじゃないかな?」

「こんな研究結果がでているのだったら,こういうことしてみたらどんなになるだろう」

「なんだか,この先行研究はここの部分の手続きが細かく説明されていないよね。ここがちょっとグレーだなぁ。ここの手続きの解像度をあげることが,多くの人たちに役立つんじゃないかな。どうだろう,ここを一点突破するというのは」

「この研究では,研究課題として2つ挙げているよね。このどちらかを引き継ぐ形で研究を進めてみたらいいかもね。ちょうど,あなたの興味関心と重なっているように見えるけど」

いくらでも,なんぼでも,話が続きます。


先行研究が提案している問題の提起と学生の問題の提起のズレなどは,学生の研究の発端を再確認するためにも用いられますし,抽象的な内容を具体的に話すことができる材料になります。

また,実践研究の場合,先行研究をもととして具体的な授業や教室場面の話を進めることができます。

そして,研究方法に関しては,うまくそれらを取り入れるヒントにもなります。



いずれにしても,研究構想の話はおもしろいです。

わたしの興味関心は,教室でおきている出来事なんだなぁと再確認できます。

今年も,いつも以上に,教室実践や教室分析に力を入れて取り組んでいこうと,個人研究を進める学生の姿を見て,考えています。



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