2024年12月31日。Jamboardサービス終了
2024年12月31日をもって,Googleのサービス「Jamboard」が終了します。今まで手軽に使える共同ホワイトボードサービスということで頻繁に使ってきた人たちは困っているようです。
わたしは,Miroが使えるので,あまり積極的にJamboardを使いません。自分が,ホスト的な役割で,共有できるホワイトボードサービスを準備するときは,迷わずMiroです。
Jamboardの数倍,いろんなことができますからね。
ただし,機能が多い分,単純な作業は逆にやりにくいのも事実です。ICTに不慣れな人やこのときだけしかわたしと対面しないような人は,わざわざMiroの使い方に慣れる必要はないでしょう。
例えば,考えを付箋に数多く出し合って,最後にカテゴリ分けするみたいな活動は,Jamboardのほうがやりやすいのは事実です。
(それでも,私はMiroでやっちゃいますけど……くどい!)
そこで,Jamboardの代替サービスを探せ!ですね。
Jamboard「愛」のある方は,最後の最後まで,Jamboardを使い続けるのかもしれませんが,「終わること」がわかっているのですから,少しでも早く「代替アプリやサービス」に乗り換えるほうがリーダー的な振る舞いができます。
で,ざっとJamboardの代替サービスを検索すると,よく登場するのが「FigJam」ですね。Googleは「FigJam」を提供するFigmaとの提携を発表したので,いくつかの候補の中から「FigJam」が代替サービスとしてリードした感じがします。
実際,GoogleMeetやGoogleドキュメントと連携ができるらしく,Googleのサービスと連携させるにはよいのかもしれません。
私のオススメは今のところPadlet
【参照】教育機関向けPadlet
積極的に,Jamboardを使ってこなかった私ではありますが,もちろん,場面場面で使うことはありました。
そんなおり,Padletで「共有ホワイトボード」の画面ができるとの情報が!(まだベータ版らしく,ちゃんとしたサービスは8月からみたいですけどね)
それを知ったとき,
「あっ,私の場合,Jamboardの代替はPadletで決まりだな」
でした。
新たにSandboxというストーリーボードが用意されました(現時点ではβ版。8月から正式版の予定……たぶん)。
これが,Jamboardの代替として使える機能です。
本日,「学級経営と授業経営に関する事例研究」という授業において,リフレクションの時間がありました。そこで,班ごとにこのPadletを使って,
リフレクションの内容を書き留めること
書き取った内容を提示して1枚プレゼントして代表者がリフレクションの内容を紹介すること
というお話をして活動をしてもらいました。
基本,Padletに関する使い方の説明は無しです(笑)。
次のように話しました。
「Jamboardを似たような機能を揃えていますが,ざっと見たところJamboardよりも機能は多い感じです。ただし,例えば(今のところ)付箋紙のサイズが変更できないなど不自由な仕様もあります。いろいろと使ってみないとわかりません。話し合いながら,記録しながら,楽しく機能も使いこなしてもらえますと嬉しく思います。
そんなこんなで学生さんたちが作成したボードの一つがこれです。

8班あったので,代表が8組前に出てきて,発表をしました。

プロジェクタで映し出したと同時に,もちろん,各自の端末で見ることができます。
「8時間の探究活動+45分のプレゼンテーション」を共に進めてきた仲間たちなので,リフレクションの内容もとても濃いものでした。
この活動の最初をわたしが担当してファシリテートしたのですが,多くの班が最初に自ら考えて決めた「グランドルール」を意識して活動していたのが印象的でした。
なるほど,だからこそ,最後までチームとして活動し,質の高いプレゼンテーションができたのですね。あっぱれです。
PadletをJamboardの代替として使ってみて感じたこと
まだ,ベータ版です。すぐに正式リリースになるとしても,その後,いろいろとフィードバックを繰り返してこなれたものとなっていくことでしょう。
機能や使い方には慣れが必要だと思いますので,この部分は触れないでおきながら,気づいたことを2つ書いておきます(2024年7月25日現在)。
1つは,こちらのネットワーク状況,通信状況が原因なのかもしれませんが,33人が同時に接続して,数人,書き込みができなかったり,自分が書き込んだのにPadletに反映されなかったりという状態になる方が数名見られました。こちらの通信状況や機器の性能によるのかもしれませんので,原因はなんとも言えませんが,一応報告しておきます。
管理人である私は,使っていて何のトラブルもありませんでした。
2つは,テキストを書いたり,付箋を貼ったり,画像を貼ったりするわけですが,これらのオブジェクトはそれを作成した人しか「削除」「修正」ができない状況が見られました(ちなみに,管理人である私はこれらも含めて全てのオブジェクトは操作可能でした)。これはメリットとデメリットがあります。
例えば,「いたずら防止」です。自分が書いた,または貼付したオブジェクトが自分しか操作できないとしたら,安心してオブジェクトの操作ができますよね。
でも,困るときが大きく2つ考えられます。
一つは,誰かがそこに,書き込んでほしくない内容を書き込んだときです(今回も,誰かわからない書き込みが見られました)。その後,書いた本人が削除しない限り,そこに残ってしまいます(もちろん,管理人は削除できますが)。つまり,「いたずら防止(の機能なのか不明ですが)」が「いたずら」になってしまうのです。
二つは,共同作業でそのボードを作成していくときです。自分が作成しているオブジェクトをチームメンバーにわたして作成を引き継ぎたいと思ってもできないということですね。ですから,信頼できるメンバーで作業を行っている時は,オブジェクトを複数人で操作できたほうがよいわけです。
で……授業を終えて,研究室に帰ってきてから……見つけてしまいました。
これ,今回,わたしの設定がまずかったみたいですね。

わたしの設定は,「訪問者の権限」を「ライター」というものにしていました。これを「編集者」というものにすれば,他者のオブジェクトも編集できるようです。
ですから,実際,今後,使うときは使う場面を想定して,
ライター→オブジェクトを作成した人しか「編集」「操作」できない
編集者→他者が作成したオブジェクトでも「編集」「操作」できる
の設定を使い分けるようにしていけばよいと考えます。
Padletの魅力
わたしは,コロナ禍にPadletを知り,その後,MiroとPadletを目的や状況によって使い分けています。Padletは当初,変な英訳でメニュー表示されていたり,利用人数が増えたり,オブジェクトの数が増えたりすると,極端に読み込みが遅くなり,待ち時間ができてしまって少しイライラするということがありましたが,MiroとPadletには,共通してわたしにとってとてもとても魅力的な機能(これ,とっても大切)があるので,ずっと使い続けています。
それは,管理者以外はアカウントを登録する必要がないことです。
よく魅力的な,ウェブアプリがあったとしても,そこに,「メールアドレスを登録することが前提」だったり「アカウント登録が前提」「GoogleやFacebookのアカウントが前提」だったりするサービスは多いですよね。
でも,MiroやPadletは,管理者が発行したURLをクリックすれば中に入れます。
だから,講座等々で,その日しかお目にかからない方でも使ってもらうことができるのです。
以前使っていたブログにわたしがPadletを知った頃に楽しんでアップしていた情報がありますので,興味ある方は以下をご覧ください。
今まで,Padletは比較的構成的であるが,他の類似サービスに比べて自由度の高い「掲示板」ウェブサービスというイメージでした。そこに,共同ホワイトボードの機能も付加したのは,素晴らしいと思います。
ちなみに,コロナ禍の頃,次はこのサービスが来るんじゃないかと思ったものに,Fipgridというものがあります。
なるべく簡潔に言うのであれば,ショートムービー同士によるSNSといいましょうか。
投稿者が短い動画を投稿し,その投稿に,動画でコメントする……みたいな感じです。
これも,ちょっとコロナ禍でゼミ生と実践していた頃の投稿があるのでご参照ください。
Padlet自身でも誘っていたようですが,今では,このFlipgridのような機能もPadletは備えています。
何を言いたいかと言いますと,こうして継続的にサービスを続けるだけでなく,常にサービスの向上を考えて取り組んでいるところに,Padletのすごさを感じます。
ICTやデジタルサービスの競争はとても激しいので,数年後,Padletがどうなっているかはわかりませんが,今は,しっかりとよりよきものを目指して取り組んでいると同時に,使いやすさが向上していると思うのでしばらくMiroと同様,使い続けていこうと考えています。
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