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執筆者の写真あべたか

難波克己さんのファシリテーションを直接体験し,即興の極意を感じる

初めて難波克己さんにお目にかかれました\(^o^)/

本日(2022/06/20),ずっとずっとお目にかかりたいと思っていた方のお一人,難波克己さんにお会いすることができました。

日本にプロジェクトアドベンチャーを持ち込み,普及させた方の一人。

現在は,梅光学院大学の特任教授であると共に,一般社団法人プロジェクトアドベンチャー協会の代表理事をされています。

本日,上越に来られるという情報を得て,ぜひとも参加させていただきたいとお願いし,院生と学部生たちと子どもたちへの実際の活動を見学させてもらうことに加え,職員研修にも参加させてもらいました。

予想していた以上に,フランクな方で引っ込み思案のわたしなのにお目にかかった瞬間からすでに旧知の仲のような感覚でお話することができ,いろいろと突っ込んだお話を伺ったり,質問したりさせてもらいました。

自分がもちあわせていないところをたくさんお持ちで,(よくあるとおり)ないものねだりのあこがれがますます大きくなりました。


私の目的は大きく2つ

今回,伺ったのは小規模の小学校。 4校時,5校時と全校生対象にアドベンチャープログラムを展開していただき,子どもたちが帰った後,職員に対して活動(アドベンチャープログラム)を通して理論の話もしていただけました。

1つは,プロフェッショナルなファシリテーションを間近で見て,体験したい

2つは,そのファシリテーションはどうすればできるようになるのか


プロジェクトアドベンチャーのプロフェッショナルなファシリテーションを間近で見て,体験したい

私自身,プロジェクトアドベンチャーを知ったのは1998年に高久啓吾さんが書かれた「楽しみながら信頼関係を築くゲーム集」(学事出版)です。この頃から,単なるリクリエーションではなく,その背景に哲学(といっていいのかな?)を持ったプロジェクトアドベンチャーに興味を持ち,自分と近くの実践者に取り入れる方が多かったことも輪をかけて自分なりに自分の教室で展開はしてきました。それはあくまでもお得意の自分の頭の中で処理して,消化したものを目の前の子どもたちに提供してきたということです。

座学だけではいかんと思って,数少ないながらも甲斐崎博史さんや遠藤安孝さんを始め,プロジェクトアドベンチャーの実践者のファシリテーションも見たり,体験したり,もしてきました。自分から行動を起こすのが苦手,飛び込んでいくのが苦手なわたしにとってずいぶんがんばって行動をおこしたものです。

そのうえで,難波克己さんはどのようなファシリテーションをされるのか知ることができるよい機会だと思いました。わたしはわたしで,すでにそれなりに固まったファシリテーション像があります。

たぶん,それを打ち破ってくれる,混乱させてくれるのではないかという考えからでした。


結果,がつんとやられました。

予想はしていたのですけどね。

わたしは,どうしても「頭(認知)」から入ろうとします。保守的なのかなぁ,弱虫なのかなぁ,「面白い!」「これはイケル!」と思ったら,感じたら,羽目を外すくらいやっちゃったり,いっちゃったりするんですけどね。どうしても(特に歳をとってから,どんどん)感覚的に感じるまでに,時間がかかるのです。たぶん,認知をしてから,自分で自分を型にはめてから……ということなのでしょう。


どうも中原淳先生(立教大学)がよく言われるような「(ワークショップやファシリテーションは)野生の学び」というのにあこがれつつもどうしてもお行儀の良いきちっとした枠にはめたファシリテーションを展開しがちです。

そのわたしにに対してのカウンターを提示してもらいました。

昼食時,学生につきあってもらって私自身のリフレクションをしたのですけど,もう少し時間をかけてみたいと思います。


目の前で展開されたファシリテーションってどうやれば獲得できるのか

そのうえで,目の前で展開されたファシリテーションってどうやって獲得できるのかなということが2つめの興味関心(目的)です。

本格的な話をすれば,お金を出してセミナーを受講すればよいということになるでしょう。それはそうですね。

うちの学生でも,今回をきっかけに興味を持ったならぜひ受講してみてもよいのではないかと思います。

それはそれとして,この体験させてもらう時間の中で「ファシリテーションの何か」を見つけてきたい,触れたいと思っての参加でした。


難波さんと対話させてもらったこととファシリテーションを重ねて考えると,脳科学等の理論と結びつけながら,思った以上に(もともと思ってはいましたがそれ以上に)「即興」でファシリテーションを行っていることがわかりました。

そして「即興」で進めていくには「行為の中でのリフレクション(reflection in action)」がとてもとても大切で,その時のファシリテーションを通しながら,頭の中でくるくる巡っていることがわかります。

その時,うまくすすんでいるかどうかは,目の前の学習者に聞けばよい(この聞くって直接聞くことも入りますけど,目の前の行動を見取るということもはいります)と考えていることもよくわかりました。

わたしが,場面場面を切り取って,あのとき,どうしてそうしたのか,のようなことを質問すると,その目の前の子どもたち同士のやりとりや活動をまるでビデオを再生するがごとく,その時の状況を細かく説明しながら話されるのです。

まずは,たくさん経験することが大切だと感じます。

また,脳科学を始めとする「感情→行動→認知」の構造等や体験学習の構造を理論として学ぶということも必要でしょう。

あと一つ,何か……があるような気がします。

ちょっと考えます。


自分の研究に実践にいかに組み入れていくか考えよう

プロジェクトアドベンチャーには今まで以上に興味を持つことができました。

学生たちも,わたしが「プロジェクトアドベンチャーでは……」とつぶやいていたことの実際を見ることができて,ダイナミックな活動に今後,実態をイメージしながら話を交わすことができます。


これに加えて,自分の研究領域である学級経営研究,授業実践研究にどのように組み入れていくか,考えていきます。

なにはともあれ,実践あっての理論です(少なくてもわたしたちの研究室にとっては)。


どんどん,老けていくわたしですけど,老化への抵抗も含めて,「活動」に対して,傍観者を決め込まず,いろいろと参加していきたいですね。

(と,一応,ここで宣言だけはしておくことにする……笑)。






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