2024年12月14日(土),第30回学級経営実践セミナー(愛知)がありました。テーマは「今求められる学級経営」でした。
7人の「今」と「これから」を語り合いました。聞き合いました。
「学級経営」という大きなフレームはありますが,それぞれに主義主張に一家言を持つ方々ばかりです。
あっちの話やこっちの話と,参加された方は大変だったのではないでしょうか。
たくさんの方にご参加いただきました。
書籍も持参して,たくさんの方にご購入していただきました。恥ずかしながら何冊かにサインもさせていただきました。人生初めてでした。こんなにたくさんのサインをしたのは……汗。
この半日がみなさんの今後の何かに役立つ時があることを祈っております。
全体として
水流さんや佐橋さんは,自身の学級の様子に加え,研究の経過と結果を学会の研究発表というよりも,セミナーという形式に合わせて発表されていました。「学級経営学会」という器からすれば,彼らの発表はど真ん中中のど真ん中です。私も身を乗り出しながら話を聞きました。自分の大学でも年度末に向けて各学生が研究のまとめにまっしぐらです。ですから自然と私の頭もいつも以上に研究モードになっています。
教職大学院の性質上,事あるごとに「理論と実践の往還」という言葉を使ったり,耳にしたりしています。そして,結局は難しいとかどういうことなのだろうと頭をひねって終わらせることが多いのですが,このお二人はこの「理論と実践の往還」を体現されている方です。すごいと思います。3月1日の日本学級経営学会第7回研究大会では,ますますシェイプアップした発表を聞くことができるのでしょう。とても楽しみです。
一尾さんと深見さんは,自身の日常的にされていることそしてしようとしていることをもとに展開されました。こう書いたら,このお二人を知らない方には全く伝わらないでしょうね(笑)。わたしの文章をもとに想像すると「日常的にされていること」ですから,自分の日常的をもとに考えてしまいますものね(笑)。とにかく,お二人の日常はぶっ飛んでいるわけです。そして,目指す方向や世界も広く深く大きいのです。ですから,話を聞いてみないとわからないし,映像をみてみないとわかりません。なんなら(私もまだ未体験なので,いつか体験してみたいと思っていますが)お二人の日常(仕事)のようすを実際に見に行かないと本当の実感はわかないものでしょう。
松山さんは,自身の研究の立ち位置である「ポジティブ行動支援」をわずか20分という枠内で会場にいらっしゃる皆さんにわかりやすく説明されていました。いつもいつも一本筋が通っていて,本当に素晴らしいです。専門家(スペシャリスト)というのがぴったりですね。多分,20分でと言われれば20分,60分でと言われれば60分,120分でと言われれば120分,の尺で「わかりやすく」「やってみたい」と思うように説明できるのでしょう。本質を理解しないと,それに合わせて噛み砕いて説明することは難しいと思います。実際は難しい理論や理屈をそのまま難しくこね繰り返して聞き手に難しいままに語るのはできますし,語り手のあなたは本当にわかっているのかい!とツッコミを入れたくなりますが,松山さんはその逆でとっても簡素に「え,そういうこと?」とわかりやすく伝えてもらえるので,わかった気持ちになります。さすがだなぁとスペシャリストになりきれない私はいつもいつも思います。ただ,ほんの触りだけをわかった感じになるだけなので,本質を知りたければもっともっと入っていかなければならないのだろうと思います。
赤坂さんは,最後の話し手だったので,今までの人たちの話を総括する意味合いも込めて自分の時間に入ったのだと感じました。「今」や「これから」を語るのなら,「今まで」もちゃんと見ておかなければだめでしょ,と「学級経営」の出発から,それがどのように考えられてきていて,今どのように引き継ぎ,発展し,考えを変えようとしているのかを,今回のセミナーの共通するテーマだった「キーワード」をあげながら説明していきました。いつもながら圧巻ですよね。機関銃のように言葉を発しながら(私達は赤坂先生が発する心地よい言葉のシャワーを浴びながら),自分では振り返ることも,まとめることもできない「学級経営」という膨大な縦(時間軸)と横(領域)の空間を整理整頓して提供してもらえるというのは何に変えても贅沢な時間です。20分じゃ,本当に足りないですね。
自分は……
そんな中で,私自身は,ちょっとみなさんと外れていたかもしれません。
「今求められる学級経営」というテーマを,「今,自分がやろうとしていること」と曲解し(汗),自分の次の一手を参加した方々にだけ,シェアするという方法を取りました。
総論的なことではなく,各論という感じですね。
学級経営全体の中から,実践の部分に目を向けて,話の中では具体的に語りませんでしたが,特に新人教師と学級経営を苦手とする教師(なぜだかわからないけれども,毎年,自分が担任する学級はざわざわする……と感じている教師)に向けて,それに対するための考え方と方法(進め方)を提供したことになります。
ですから,この部分に関して,問題に感じていない教師や乗り越えた教師については,全く興味関心を抱かない内容だったでしょう。会場にいらっしゃる方々は,学級経営実践というよりももう少し先の概念理解だったり,研究的なものに興味関心を抱いている方々が多いかもしれないので,私の話がフィットしていたかどうかはちょっと自信がありません。
私としては,これからも今回出版した「ウェルビーイングな学級経営のためのポジティブ心理学」のように総論と各論を含めて提供するとともに,ぜひとも現場に役立つ考え方や進め方をも提案していきたいと思っています。
追補
この日,寒い寒い上越から名古屋に電車で移動したのですが,途中,赤坂先生とご一緒しました。その時に,「とてもいい本を書いたね。ちょっと嫉妬心が湧いたよ」と新著の感想をいただきました。
この日が始まったばかりでしたが,赤坂先生のこの一言だけで,わたしは幸せな1日になりました。尊敬する方から肯定される一言をいただくというのは本当に素敵なことですね。感謝いたします。
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