昨年に引き続き,鈴木優太さんに本学に来ていただき,ゼミ講座(2022年11月7日),外部講師として授業(2022年11月8日)をしていただきました。
予想はしていましたが,といいますか,それを求めてお招きしたわけですが,濃い2日間でした。
ゼミ講座と授業とで受講者に合わせてしっかりと内容を変えて準備するところ,さすがと思いました。
第1日目 ゼミ講座(2022年11月7日)
この時間は,対象者が阿部ゼミの学生(院生,学部生を含む)と鈴木優太さんから学んでみたいと希望する院生,約26名でした。
優太さんはともかく,参加する者同士は,それなりに顔見知りで,かつ,26名とダイナミックに交流しやすい人数であり,工夫すれば90分でもそれなりに個別に対応できる人数と関係性があります。
そこで,優太さんが仕組んだのは,彼の最近著である「「日常アレンジ」大全」を大いに活用することでした。
こんな流れです。
事前に参加者を確認し,その参加者に事前に「「日常アレンジ」大全」を読んでもらうと共に,「引っかかったネタ」とその理由を事前に優太さんへ伝えてもらう。
事前に参加者から集約した「引っかかったネタ」情報をもとに,90分の講座を準備して,進める。
90分の講座に,参加者全員へのアンサーメッセージが含まれているという仕組みです。
しびれました。
一期一会。
この日しか出会わない学生もいるであろうということから,丁寧に丁寧に事前アンケートと向き合い,それに対応するメッセージやスライドを準備してくださいました。
といっても,その方と一問一答にならないように工夫しているところも優太さんのさすがなところ。その人に問いかけたり,応えたりするようにみせて,全体に問い返します。また,こんな考えや方法がありますけどみなさんも体験してみませんかと実際にやってもらいます。また,それを聞いて,体験してみて,どんな感じがしましたか,ペアの方とお話してみてくださいと促します。参加者のみなさんの「今」が随時,アップデートされていきます。
これらの活動を通して,参加者は,本の文章からは知り得なかった,
意義,目的,価値
そのアイデアが生まれるまで,また,生まれてからこの形になるまでの変遷
準備の仕方
実際の進め方
連続性
日常的にどう展開するか
日常展開すると子どもたちはどのように変化していくか
事後について
などが語られます。
当たり前ですが,書籍は,ある部分を切り取って編集されて紹介されているものです。まして,この本は,見開き1ネタなので,わかりやすいキーワードや言葉で紹介されているものの,その細部がわかりません。
その細部を知ることができることが,魅力的でした。
しかも,繰り返しますが,事前にアンケートをとっているので,自分に向けたメッセージが90分の中で必ず入っているというところがしびれました。
第2日目 外部講師としての授業(2022年11月8日)
こちらは,第1日目と打って変わって,受講生160名の大人数。
場所は,大講義室,階段教室。
そして,授業。内容は「特色のある教育課程,教育実践」ということで,優太さんにまさしくピタリのテーマ。
受講生は,学部1年生が9割という感じ。
自身の教育実践をどんどん紹介していくと共に,実際に簡単にできるゲームなどはその場で体験してもらいます。
学生たちを前のめりにさせると共に,そこかしこに笑いをもたらす……。大講義室の空気をどんどん暖かくしていきます。
この90分中,ずっと流れていたメッセージが「教員の仕事ってとってもすてきだよ,いいよ」ということ。
教員養成大学の本学ですから,その多くは,教員を目指しているわけですが,それでも最近のニュース等を見ると,本当に教員になっていいものか,不安に思っている学生がいることと思います。そんな中で,このメッセージをわかるように伝え,かつ,嘘じゃなくて,(優太さん自身)本当に楽しんで教員生活を過ごしていますよ〜ということを体現してくれた90分。
授業最後は,学生からの大きな拍手で終わりました。
わたしは,授業で拍手なんてもらったことないよ〜。
すごいなぁ,優太さん。
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