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執筆者の写真あべたか

学部1年生とがっつり授業開始!〜どのように授業をデザインするか



本格的な授業,始まり始まり!

さて,担任する学部1年生との授業(人間教育学セミナー)。

クラスでのやりとりが本格的に始まりました。

この1ヶ月を通して,彼ら全員がいい学生で,かつ,本気で教育を考えて,よりよい教師を目指していることがわかったので,安心して授業に入っていけました。

問題があるとしたら,彼らの意欲を削がないような授業づくりができるかどうかというところですね。


この授業はいくつかのパターンがあります。今回は以下の通り。

  • 講演会(1時間)

  • クラスセミナー(クラスごとに前時の講演会の内容をもとに話し合う)(1時間)


講演会は3回用意されているので,このパターンを3回行うことになります。

先週,講演会でした。

テーマは「教師の魅力」でした。

具体的な事例から,それを一般化して,学生の興味関心に訴える……という,さすがな内容でわたしも,学生と話を聞きながら一生懸命話を聞いていました。


さて,これを受けての本日,1時間の授業です。

手元には,先週,学生たちが書いた感想用紙があります。

どうするかどうするか……。


最初,これらの感想をすべてpdfにして,1つずつ共有できるクラウドのアップロードし,互いに読み合い,一人ひとりにフィードバックするような流れにしようかなぁと思いました。

うーん,ちょっとちがうなぁ。

目の前に,本人たちがいるし,もう少し音声を通した「対話」「会話」でやりとりするのがよいなぁと思い直しました。


本日のながれ(「つかむ」)

で,昨日,以下のように考えてGoogleClassroomに載せておきました。


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本日(5/15)の人間教育学セミナーは以下の通り進めます。

【目標】

現時点での「自分にとっての教師の魅力」をクラス内の話し合いを通して,明確にできる(語ることができる)。

【進め方】

  • 5人グループ(1つだけ6人グループ)をくじ(アトランダム)で決めます。

  • 順番に先週書いた感想用紙を読み上げます(新たに文章を加えたり,省いたりしても構いません)。

  • 班内でフリートークを行う

    • ルール1→相手を批判しない

    • ルール2→話し合いが空中戦にならないようにキーワードを決める「教師の魅力」「教師はブラックか」「…………」「…………」

  • 班ごとにどんな話し合いがなされたか全体に紹介する(くじで発表者を決めるので,誰が指名されてもいいように準備してください)。

【評価】

現時点での「自分にとっての教師の魅力」をGoogleClassroomに書き出す。


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この進め方も,「目標と学習と評価の一体化」です(笑)。


今回の授業のポイント

ここで悩んだところは,5人班でよいかどうかです。4人班のほうがいいかなぁとも悩みました。だいたい60分間,班の話し合いを任せようと考えました。そのときに,4人と5人,どっちがよりよいか。4人の方が密に話せますが,話す内容があまりないと60分という時間を持て余すことになります。今回は,話がすすまないことを想定して5人班にしてみました。


こだわったところは「くじ」で班を構成するということです。学生には,

「みなさん,とてもより良い関係で,私から見てもうらやましい限りです。とはいっても,よく話す人,関わる人とあまりかかわらない人ができてきていると思います。それはそれで当たり前です。わたしも実際関わる人とかかわらない人が出てきます。しかし,授業という改まった場においては,あえて,普段はあまりかかわらない人とも情報を交換することに意味や価値があると思います。ですから,ここは運にまかせてくじで班を構成しましょう。次回からも,毎回,くじで班を構成していくことにしますね。」

と話ました。


60分,学生に預けるわけですが,この60分は基本,2部構成になっています。

1つは前回書いた感想を班のメンバーの紹介すること。この時,そのまま読んで紹介してもいいし,書いた内容を知られたくないときはその部分を省いたり,または,新たに付け加えて話てもいいことにしました。

これを説明したら,何人かの学生から

「よかった。このまま読むのだったら,とてもいやだった」

という声が聞かれました。確かに,みんなに紹介することを前提に感想を書いてもらっていませんから,そういう学生もいることでしょう。昨日までは,この感想をpdfにしてみんなで読み合うと考えたいた自分は,思いとどまってよかったと思いました。

2つは,互いの感想を聞き合いながら,「教師の魅力」「教師はブラックか(先週,講師の方がこれを学生たちに問うていたので」というキーワードと,班の中で独自に出てくるかもしれないキーワードをもとに,フリートークをするようになっています。

ここでのわたし自身のめあては,「ちゃんと待つこと」。

ワークショップ等の活動の時間,なかなか待ち切れないわたしがいます。

そして,各班の様子をうまくアセスメントして,その時々で,クエスチョンを投げかけること,カンファレンスすること,です。自分なりに,意識してがんばりましたがよりよいものであったかどうか,ここはもう少し時間をかけて自己点検するしかありません。


学生たちは,しっかり話し合い,よりよい時間になりました(と思います)。

授業だからこそ,話せる内容ですよね。

普段の会話や雑談では,なかなか話題にしにくい内容です。


班によっては,

「とっても重い内容を互いに自己開示しあえた」

と語っているところがありました。

そこに,信頼関係が生まれ,心理的安全性が向上したと感じます。


反省点,迷ったところ

一つ,反省点としては,話し合いの過程において,可視化が抜けていたことです。

これ,やる前から,わかってはいました。

今回,あえてやらなかった自分がいます。

「教師の魅力」を皮切りに,教師はブラックかとか,どうして教師になろうと思ったかという話し合いになることは話し合いを始める前から予想できていました。

その時に,可視化しながら話を進めていくと,ちょっとつらい人もでてくるのではないかと思ったのです。あえて,空中戦といいますか,ふわふわした状態で話すことで,ぶっちゃけ話などもしやすくなるのではないかと考えました。


とはいいつつも,話し合っていく中で,話の進み具合や,流れ,拡散や集中などが可視化できないと,話が深まらないのも事実です。


来週は,また講演会があります。このときのテーマは,ICT教育やGIGAスクール構想,DX(デジタルトランスフォーメーション),Society5.0などの話になることでしょう。

これらは,話た内容をガッツリまとめていってよいものなので,翌々週,クラスで話し合いを行うときは,ホワイトボードに書いてもらいながら話し合うことを進めようと思います。


学生たちには次のように語りました。

「とりあえず,わたしがよりよい話し合いのモデルとして今回の流れを提案してみました。もし,みなさんから,こうした方が良いというアイデアがあったら随時取り入れていきます。せっかくですから,この時間,より良いものにしていきましょう。」


彼らの真面目に授業を受ける姿勢にぜひとも応えたいと思っているわたしです。




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