
わたしが所属する学級経営・授業経営領域では,スタッフ全員が担当し,領域のM1の学生全員に履修を勧める「学級経営と授業経営に関する事例研究」という科目があります。
この科目は,いわば本領域の目玉科目です。
M1全員が協力,協働的に学ぶようになっています。
後半は,探究,グループワーク,プレゼンテーション,レポート(アカデミック・ライティング)作成の体験を通して学ぶようになっており,大学院で学んでいく上での基本的なスキルや考え方を身につけていくように計画されています。
昨年度までは,内容の都合上(キツキツだったので)グループワークの前時になってやっとグループワークの目的,考え方,進め方等の説明をするという形だったのですが,今年度はこの時期に,45分ほどの時間を確保して,グループを組んで,学生にお知らせして,アイスブレイク,グループごとのグランドルールを考える……というところまで勧めることができました。
来週からは,赤坂真二先生を筆頭に7回の講義があります。その後,グループワークを進めていきます。7回の講義が始まる前にグループが組めたことは大きいです。
余裕を持って,学生たちが自らの探究課題を時間をかけて考えていくことができます。
また,時間をかけてグループそのものを温めていくことができます。
そのためのしかけを2つほど考えて,45分の中で行いました。
アドジャン・トーク
学校現場で少しずつ浸透しつつある「アドジャン・トーク」。
意味わからんという方は,「アドジャン」で検索してください。
たくさんの進め方と事例,そして,ワークシート例が紹介されています。
「サイコロ・トーク」に重なるところがありますね。
まずは,目的の確認です。
「自己開示」と「他者理解」であるとしました。
突然顔を合わせた4人,または5人。
まだわけわからん状態だろうから,でも,これから長く一緒にグループワークをやるのだから,早めに気心知れる仲になっておきましょう。
ということで,自分のことをたくさん知ってもらって,メンバーのことをたくさん知るという活動を取り入れました。
アドジャンを初めて知ったという方に向けて,少し丁寧な進め方をしたあと,
「とは言いながらも目的は「自己開示」と「他者理解」なのだから,ルールに縛られず,目的化せず,ローカルルールなども取り入れながら各グループごとに気持ちよく進めてください。」
とお話しました。
みなさん,それぞれに熱量をあげて参加してくださいました。
各グループごとのグランドルールを決めよう
これから質の高いグループワークをしていくことを想定して,グループごとに大切にしたいことや約束を決めようという時間を確保しました。
佐伯胖さんの「きめ方の論理」(東京大学出版会)なども例に出しながら,あとでゴチャゴチャ,モヤモヤ,イヤイヤにならないためにも,まず最初に自身で「きめ方」を決めておくことは大切なのだという話をしました。
(ちなみに,ここで話し合うのは「きめ方」だけではありませんけどね)
ラウンドロビン(一人一つずつどんどん出していく)方式で,ブレインストーミングのように他者の意見を避難,批判せず肯定的にどんどん案を出していく,受け入れていく。
その後,3〜5つのわたしたちが大切にしたいことを決めていってもらいました。
与えられたルール(や決まり)を守るのではなくて,目的達成に向けて,自身で決めたルール(や決まり)をつくると同時に,それを意識していくことが大切であることを感じてほしい,わかってほしい,体験してほしいという意味からです。
(学生の皆さんには,わたしがこの時間,ファシリテーションをきかせようとしていたことがわかったかなぁ……。感じたかなぁ……。あとで,何人かに聞いてみよっと)
さて,学生の皆さんにとって,この科目がよい学びの時間になることを応援しております。
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