いざ,ファシリテーションの実践と研究を!−教室の中の多様性とファシリテーション(授業づくりネットワークNo.44)発売

以前から「ファシリテーション」をテーマに特集を組んできた本誌ですが,久しぶりの「ファシリテーション」特集です。
ご存知のように,中教審答申:「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して〜全ての子どもたちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現〜(答申)」(令和3年1月26日)では,教師に求められる資質・能力の一つとして「ファシリテーション能力」を挙げています。
わたしたちだけが推しているのではなく,文科省でもファシリテーション能力が必要だと明言したわけです。
ぜひ,みなさまもあらためてファシリテーションを学び,考え,実践し,研究していきましょう。
いつもながら,本誌は「理論」と「実践」をバランス良く取り上げていると自負しております。どちらの面からも学べますし,たくさんの執筆者の文章から自分のなかに落とし込んでいくことができます。
わたしとしては,「巻頭言」を書かれた堀公俊さんの「学校とファシリテーション」という文章にしびれました。
さすが巻頭言だけあって,「学校」と「ファシリテーション」の関係をわかりやすくまとめてくださっています。
「主体的・対話的で深い学び」の実現のためには,ファシリテーションのスキルが欠かせないのは確実なのだけれども,「学校」特有の事情があり,すんなりファシリテーションを他のところからそのまま移行することができない理由や解決策のヒントなどを書き記しているところがさすがと思いながら読みました。
とてもとてもなっとくできますし,そこを乗り越えていく工夫の部分が今後,実践や研究を進めていく時の視点になると感じます。
わたしも「ファシリテーターとしての教師」という原稿を1本書きました。
「ファシリテーションの目的」に目を向けることで,「学校運営」「授業経営」「学級経営」のことを考えていけるのではないかという提案です。少々大胆な提案かもしれませんが,ファシリテーションを立体的に考えたり,レイヤー的に考えたりしていくヒントになるのではないかと考えます。
Googleで「あべたか」と検索をかけると「あべたか研究室:ファシリテーション」と出てくると思います。昨年の春に,あらためてホームページを作り直したのですが,その際にそのようにしました。残りのキャリアを「ファシリテーション」を自分の柱として考えていきたいという所信表明でもありました。
このたび,本誌特集で原稿を書くことができたこと,とてもうれしく思います。
そして,これをきっかけに多くの方と学校教育におけるファシリテーションの実践や研究の交流ができたらたいへんうれしいです。